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海洋生態系高次捕食者、オオミズナギドリを指標とした福島原発事故後の影響評価

東北地方太平洋沖地震からおよそ1年と3ヶ月が経過しました。地震と津波犠牲者とご家族の皆様に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。  

NRDA アジアでは、福島原発事故の影響で懸念される海洋生態系の汚染、また放射能物質が生態系に与える影響を海洋生態系高次捕食者、オオミズナギドリ(Calonectris leucomelas) を指標とし、調査研究をおこなっています。この7月には調査の一環で、オーストラリア タスマニアから鳥類学者/海洋生態学者のDr. Jennifer Lavers (Institute for Marine and Antarctic Studies) を招いて国内営巣地の調査を計画しています。  

一度海面に放出された137Csは海面上層部におよそ10年存在するということが、北太平洋でビンナガマグロ(Thunnus alalunga) を指標とした研究から報告されています(Young et al. 1975)。  また、海洋生態系における生物濃縮の例も過去の研究から報告されています(e.g., Fisher et al. 1999, Heldal et al. 2003)。

放射能性物質が海洋生態系に与える影響はまだまだ分からないことが沢山ですが、福島原発事故後の長期的なデータの積み上げを行うことは、海洋汚染の影響を評価する上で大変重要です。

また、未来の世代からお借りしている豊かな海洋環境を私たちの未来へお返しするのは、現代に生きる私たちの使命だと考えています。  

King George Sound, Albany 12 Apr 2012 Two STSH in a flock of around 2000 Flesh-footed Shearwaters (following a purse seine vessel targeting pilchards)

南オーストラリアで2012年に初めて観測が報告されたオオミズナギドリ。東アジアから翼と風の力だけで7000km以上もの距離を移動するなんて、海鳥はとてもたくましくて、でも繊細で、すっかり魅了されてしまいます (写真提供:Lavers, J) 。

本調査の一部は地球環境基金の助成を受けて実施しています。

植松明香


参考文献

Fisher NS, Fowler S, Boisson F, Carroll J, Rissanen K, Salbu B, Sazykina TG, Sjoeblom KL (1999) Radionuclide bioconcentration factors and sediment partition coefficients in Arctic Seas subject to contamination from dumped nuclear wastes. Environmental Science & Technology 33:1979–1982

Heldal HE, Føyn L, Varskog P (2003) Bioaccumulation of 137 Cs in pelagic food webs in the Norwegian and Barents Seas. J Environ Radioactiv 65:177–185

Young DR, Folsom TR, Hodge VF (1975) 137Cs and 40K in the flesh of Pacific albacore, 1964-1974. Health Physics 29:689–694

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